生きた文化財
鴛泊地区にはニシン漁の頃に使われていた「袋澗(ふくろま)」というものがあります。
ここは、「泉の袋澗」と呼ばれています。地元の人は「泉のナマコ」と言ったりもしています。
言われてみれば、飛び出している部分がナマコに見えてきます。
この袋澗は、ニシン漁が盛んだった頃、沖から獲ってきて陸に揚げ切れなかったニシンを一時的に保管しておく場所として使われていました。天然の生け簀?冷蔵庫?のようなものです。手前のプールのようになっている所に網で取ってきたニシンを網に入れたまま保管します。下の写真は、ニシン漁沖揚げの様子です。随分と取れていたようです。最盛期には年間約10万トン獲れていたとのことなので驚きです。
さて、利尻島には現在も「袋澗」が3箇所ほど残っていますが、鴛泊のここが現在でも使えるほど状態がいいようです。
状態がいい要因の一つに間知石(ケンチイシ)練積型で作られているということ。
一つ一つの石の表面は四角ですが、奥の方ほど小さくなっていく四角錐のような形状の石を積み重ねて構築されていることが確認されています。
間知石?練積? 建築などに詳しい方は、「あー、あれね」となるかもしれませんが、僕にはチンプンカンプンです。(すみません、ということで詳しい方に聞いた情報です。)
それにしても、漁業遺産と言われていますが、現在も船を係留したりして使われているので現役ということになります。現役のものって遺産?になるのかなぁ。そこが、「生きた文化財」と言われる所以なんだと思います。
もうここまで来ると「先人たちの芸術(アート)」だとおもいます。
時間があれば、袋澗(ふくろま)の上を歩いてみてください。
そこから見るペシ岬や利尻山も海の上から見ているようで綺麗に見えますよー
※船を係留するための出っ張りがあったり、滑りやすくなっておりますので、足元には十分注意してください
利尻島郷土資料館でも利尻島を知ることが出来ます。
http://www.town.rishirifuji.hokkaido.jp/rishirifuji/secure/1296/rishirito-historicalmuseum.pdf
0コメント